Schizophrenia

夜、寝れない、意欲・活動が低下する、家の中をそわそわ歩き回る、わけもなくカリカリしている、忘れ物が多い、慣れている場所や人に対して恐怖を感じる、そして幻聴に悩まされる・・・


統合失調症精神分裂病)」・・・この病気は躁鬱病と並んで心の病気の代表的なもので、およそ100人に1人の割合で発症するといわれている。従ってそんなに特別な病気ではない。


どんな病気かというと、基本的には脳の神経のネットワークにトラブルが生じる機能障害といえる。まだ、発症の原因ははっきりとわかっていないが、幼少時の自我形成期における環境が要因となっているという説が有力だ。虐待や過保護、愛情不足など、特に母親に寄るところが大きいそうだ。
 
そうして幼少時に作られた素因(ストレスに対するもろさや神経の繊細さなど)に、成長してからの日常生活におけるストレスや社会環境が加わって、脳内の神経伝達物質に異常が起きるのだ。

もっと具体的にいうと・・・
脳は外の世界から正確な情報を受取り、それを処理(理解)する。そして、受け取って処理した情報に基づいて判断を下すーーというのが、正常な脳の働き。しかし、統合失調症となると、脳内の神経伝達物質が異常となるため、見たり聞いたりした外の世界の情報を脳内で整理することが困難になる。そのために受け取った情報に対して、誤った表現で反応したり、受け取る情報が正確でなくなるため、幻覚や幻聴が表れたりするのだ。つまり・・・

1.脳の情報処理が極端に遅くなるため、反応が遅く、記憶が曖昧になり、新しいことができなくなる
2.情報を不正確に受け取ってしまうため、脳内で情報がパニックになり、筋の通らない結論を出してしまう。→幻覚や幻聴など妄想の現れ
3.外で受け取る情報を正確に繋げて頭に入れることができなくなる


特に回りを混乱させるのが幻覚・幻聴などの妄想の現れなのだが、
理解者の根気強いサポートとクスリ、睡眠による脳の休養で消すことは可能である。幻聴が現れているときは、脳の言語をつかさどる部分が実際に活発に動いているそうで、実際に人と話をしているような状況なのだそうだ。四六時中そんなわけだから、脳が疲れるのは当たり前だ(だから睡眠は大切。回復期には寝てばかりいるが、これは怠けではない)。



完治は難しいが、今はほとんどがクスリによって治療が可能となっている。もちろん社会復帰も可能である。この病気の大敵であるストレスと睡眠不足に注意すれば再発も最小限に防げる。
精神分裂病を患いながらもノーベル賞をもらった数学者や文学者など、過去、現在にも偉人も多い(特に芸術分野では特異な能力を発揮する人が多いという)。


日本の精神医療は欧米に比べると10年遅れているという。今だこの病気に対して偏見の目があることも事実である。その反対に、この病気に対し、何をするかわからないといった怖さとともに神秘的な好奇心を抱いてしまうのもまた事実である。


・・・回復しつつある・・・と思う。
今はエネルギーをためている状況。無理な励ましはかえって本人に過剰なストレスを与えてしまう。とにかくクスリと睡眠を欠かさず「待つ」ことに専念する。そして、これも「個性」と思うことにする。