いい本
「この業界にいる限り、売れなくてもいい本がある、なんて言ってはいけない。なぜなら我々業界人は本を売ってなんぼの商売だから。売れなくてもいい本があると言いたければ、業界を引退してから言えばいい」と、ある先輩が言った。
まあ、それも正しい。しかし、オレは、あえて言う。「売れなくてもいい本がある、のではなく、もともと昔からいい本は売れないものである」と。
たまたまヒットを飛ばす事はあっても、
せいぜい少数の、本の価値が分かる人たちから評価されるのみ。
なぜなら、いつの世も真実は少数派であるからで、「いい本」とは反社会的、反体制的、反権力的であることが多いからだ。
だから大衆ウケすると困るだろう。
「いい本」は著者の死後、100年後に評価されたりする。そして、世界を変える。