This is England

金曜日の午前中、シアターN渋谷で「THIS IS ENGLAND」(http://www.thisisengland.jp/)を鑑賞。

80年代の、サッチャー政権下のイギリスの労働者階級のスキンヘッズを描いた青春映画。

オレ自身、当時、イギリスの音楽・ファッション(パンクだけど。。。)に傾倒していたこともあって、とても楽しめた。傑作である。

定番のドクター・マーチンのブーツに、ベン・シャーマンのシャツ、フレッドペリーやロンズデール、MA1などは、今じゃネットでも簡単に買えるけど、当時は、一部のショップかイギリスに行かないと手に入らなかったもんだ。

映画を見て思い出したのは、「アメリカン・ヒストリーX」である。

ただ仲間に入りたくて、スキンヘッズになった少年だが、ムショから出てきたナショナリストに影響されて、知らぬうちにレイシストになって、パキスタン人を攻撃する。。。

有色人種の仲間をボコ殴りにしてしまったナショナリストに幻滅した少年が、イングランドの旗を海に捨てる場面は、「さらば青春の光」で、最後にベスパを断崖から落とすシーンや、「アメリカン・ヒストリーX」で、黒んぼ少年に主人公の少年がトイレで撃たれる場面に重なる。

憎しみは憎しみしか生まない、なんて、レイシストには必然の悲劇として描かれるけど、世界中のヘイトカルチャーが大好きな俺にとっては、そんなことはどうでも良い。

愛と憎しみは裏腹。青春とは、裏切りの連続で実は悲劇。

イギリスのスキンヘッズのアイデンティティが、仲間を愛することと、異質なものへの憎しみにあるのは、当時の社会状況の中ではしかたがないことなのである。

平和とお花を愛するヒッピーなんかよりは、全然、ナイフとチェーンのスキンヘッズの方がクールでヤバイのは当たり前。

人間は、基本的に他人や異質なものを排除・攻撃することで、自分のアイデンティティを確立する。それが道徳や秩序の背景にもなっている。
そういう意味では、レイシストは永遠である。